◎星座の写真

今までやってみようと思っていたが実現できないでいた星の写真に初めて挑戦した。でもやってみていろいろハードルの高さを感じた。冬は条件的には良いが寒いし、月の明るさや天候を考慮すると一ケ月の二割程しか適日が無い。又最大の問題は都会の明るさである。自宅の近辺を夜中ウロツクが街灯の明るさが撮影を拒む。何とか1ケ所は見つけた。初めて撮ったのがオリオン星座である。初めての写真なので問題だらけである。今後レベルを上げてゆきたい。「星の写真」は≪趣味≫の中に不定期であるが掲載してゆくにで興味のある方は見て欲しい。

◎星の写真撮影機材

星の写真と撮るには、それなりの機材が必要である。まずカメラであるが暗い部分の撮影なので、それなりのISO感度の高い事、感度を上げてもノイズ発生が抑えられている事、細かい設定が可能な事など必要である。又レンズは高価であるが明るいものが必要条件である。赤道儀と言って地球の自転に連動する装備を使えば多少は緩和されるが、明るいに越したことは無い。現在の私のカメラ機材は以下の通り。                                   

①カメラ:キャノンEOS6DMarkⅡ レンズ:キャノンEF50mm F1.4   ②レンズ:キャノンEF135mm F2.0 ③レンズ:キャノンEF24-70mm F2.8  ④レンズ:キャノン35mmF1.4  ⑤レンズ:シグマ150-600mmF5 ⑥エクステンションX2  ⑦レンズ:キャノンEF8-15mmF4  ⑧レンズ:シグマ14mmF1.4 ⑨雲台 ⑩三脚     

①オリオン座と冬の大三角形(オリオン大星雲)

オリオン座は冬の夜空に輝く有名な星座である。ギリシャ神話ではオリオンはサソリに刺されて死ぬ。そこでオリオン座はさそり座が輝く夏空は恐ろしくて冬しか出てこれないという。しかし今オリオン座に大きな異変が起きつつある。右肩の一等星がベテルギウスという赤色超巨星で太陽の1000倍程の大きさ(太陽系で言えば木星の軌道位)がある。この写真ではよく見えないが普段は赤く輝く一等星が(平氏星ともいう)ここ1年程で急激に明るさを減じている。人類レベルではないが近い将来大爆発を起こして消えてしまうかもしれない。又オリオンの腰の部分に3つの星が並びこれを三ツ星という。その下の剣の部分に肉眼でもぼんやり見えるオリオン大星雲がある(ぼやけて光っている)この拡大写真を撮るのが夢である。冬の夜空で目に着くのは冬の大三角形と呼ばれる一等星の正三角形に近い並びである。頂点はオリオン座の赤いベテルギウスもう1つはおおいぬ座のシリウス、更にこいぬ座のプロキオン(距離は11光年余り)で構成されており、肉眼でもはっきり見えるので見て欲しい。又松戸ではあまり良い撮影ポイントが無い。そこで手賀沼に行ってみた。ベストとは言い難いがまずまずである。条件の良い夜は少し遠いが手賀沼通いが続きそうだ。

②北斗七星(おおくま座)、ミザール

この星の並びも有名なので知っていると思う。北の空に大きな「ししゃく」形をしているので容易に見つけやすい。しかし「ししゃく」は星座の一部にすぎず、全体像はもっと大きい。北の目印北極星は2等星の為見つけずらい。そこで「ししゃく」の先端の星を5倍延長するとそこに北極星がある。しかし今の北極星は不動ではない。何万年かすると天ノ川のはくちょう座近くに移動してしまう。又「ししゃく」の柄の先端から2番目の星に注目して欲しい。この星は「ミザール」と言ってすぐ近くに四等星の伴星がある。この伴星はミザールの周りを回っており、肉眼でも確認できる。昔アラビアでは兵士の目の検査に伴星がどの位置にあるかで判断したという。試してみてはいかがですか?



③おおいぬ座

オリオンの猟犬としてオリオン座の左下に輝いている。ここで最も目を引くのが口の部分に輝くシリウスで、全天にある1等星21個の中で一番明るい星である。明るく輝く理由は簡単で、地球からの距離が8.6光年と宇宙レベルで見るとすぐお隣りの星で、地球から7番目にの近い恒星である(ちなみに一番近い恒星は太陽二番目はケンタウルス座α星で4.4光年)又シリウスは前述の冬の大三角形を構成する目印の星で非常に見つけやすい。古代エジプトでは、ナイル川の氾濫時期を知らせてくれる星として、非常に重要な働きをしていたという。

④こいぬ座

天の川を挟んでおおいぬ座と対峙する形で輝く、2つだけの星で構成する小さな星座である。しかし主星で一等星はプロキオンは前述の、おおいぬ座のシリウスやオリオン座のベテルギウスと共に冬の大三角形を構成しており重要である。ギリシャ神話では狩人オリオンが連れていた2番目猟犬と言われている。(一番目はおおいぬ座)プロキオンは太陽の2倍程の大きさしかないが、11.5光年程の近くにあるため明るく輝いている。

⑤ぎょしゃ座

オリオン座の上部に輝く将棋の駒を斜めにしたよな形をしている。星座図で見るとヤギを抱いて馬車を操る王子の姿だそうで、天の川の中に輝きます。特にヤギの部分に当たる場所には一等星のカペラが輝きます。このカペラ星は小さなヤギを表わし、距離は45光年程で大きさは太陽の10倍程もあります。1つに見えますが実は2つの星が連なっている連星の様です。全天を見て殆どの星は実は1つではなく連星以上の場合が多いようです。星座線を入れるとわかり易いです

⑥ふたご座

ギリシャ神話ではふたごの兄弟が並んでいる星座図で描かれる。少し暗いためはっきりとは写らないがよく見ると頭から足が想像できる。又毎年12月頃見られるふたご座流星群も有名で右側の頭の横辺りから放射される。又右の頭の星は1つに見えますが実は3つの星がお互いの周りを回っていると言われています。

⑦おうし座とプレアデス星団(すばる)

オリオン座の右上におうし座がある。オリオンに角を向けている様に見える。更に右部に小さな星の集りが見える。これをプレアデス星団と言って肉眼でも6個程星を見る事の出来る有名な星団である。これは平安の昔、清少納言の「枕の草子」にも出てくる星で、り日本では「すばる」の名称で親しまれており「集まって1つになる」の意味があるそうです。今、この星座の近くを火星が移動中であり、一緒に写りました。又おうし座の目の部分の明るい星はアルデラバンと言って赤色の超巨星で水素を使い果してヘリウムによる核融合をしている末期の星との事。アルデラバンと火星は共に赤色の星で下の写真では並んで写っている。

⑧うさぎ座

うさぎ座は有名なオリオン座の下、おおいぬ座の右に位置します。しかし一等星が無く、三等星で構成されているためあまり目立ちません。でも星座図とよく見比べるとそれなりに輪郭が見えてききます。古代の人たちは良く想像力を働かせて星座を考えたもので感心します。

⑨いっかくじゅう座

この星座も四等星の集りで目立ちにくい。しかし場所は有名な冬の大三角形の中にあり見当はつけ易い。星座図を見比べないと全体像は把握しにくい。これは妄想豊かな古代人の発想ですが、オリオンの番犬おおいぬ座と、こいぬ座を分断する形で横たわりオリオンに襲い掛かろうとしているとされています。

⑩春の大曲線と大三角とダイヤモンド

春はあまり目立った星座は無いが、有名なのが「春の大曲線」と「春の大三角」と「春のダイヤモンド」で北斗七星が見つかればイモズル式に見つける事ができる。北斗七星のししゃくの柄の部分を伸ばして行くと大きく円を描くように一等星の2つの星が見つかると思う。最初の1等星は「うしかい座」のアルクトゥルス次が「おとめ座」のスピカである。更にアルクトゥルスとスピカと底辺とした二等辺三角形の頂点にはしし座のデネボラがある。その三角形の底辺を共通として反対側の三角形を描ける。その頂点がりょうけん座のコル・カロリである。この三角は少し暗いので探しにくいが、春の大三角の反対側を見ると見つけられる。これらをまとめて春のダイヤモンドと呼ぶ。

⑪うしかい座

北斗七星の柄から下の辿ると「うしかい座」のアルクトゥルスに至ります。この星が「うしかい座」の脛の部分に相当します。この星を頂点に丁度ネクタイを逆さに見ているような形を見る事が出来ます。このアルクトゥルスは全天でも3番目に明るい星で少しオレンジ色に輝いていますので見つかると思います。日本ではアルクトゥルスが麦の刈り入れ時、春の宵頃に輝くことから、「麦星」の名で呼ばれています。

⑫はくちょう座

夏の夜空で天の川の中に輝く見つけ易い星座である。天の川に浮かぶ十字架が見つかればはくちょう座である。十字架の頭に輝く一等星をデネブと言って質量は太陽の15倍、光度は5万倍程と言われていますが、距離が1400光年も彼方にあり暗く感じます。実はこのデネブが白鳥の尻尾であり、頭は反対側の十字架の元の部分です。又はくちょう座には左右に織り姫、彦星の一等星を従えており、これを結ぶ三角形を「夏の大三角」と言っています。天の川の中にこの三角形が見つかれば、1年に1度の逢引をはくちょう座が助けてくれるというロマンチックな七夕伝説にしたってみてください。

⑬夏の大三角

⑫のはくちょう座でも少し触れたが、はくちょう座の主星デネブ、こと座の主星ベガ、わし座の主星アルタイルの3つの一等星で構成する三角を「夏の大三角」と呼ぶ。これを特定できるといろんな星座を見つけやすく、夏を代表する星座である。この他季節によって「春の大三角」「冬の大三角」が有名でこのページでも紹介している。

⑭こと座

夏の大三角を構成する星座の1つがこと座である。日本では七夕伝説の織女星で親しまれている。星座自体は小さいが、一等星のべガは全天で5番目の輝きを放っています。⑬でも触れましたが、夏の大三角の直角の部分に当り見つけ易い位置にあります。地球からの距離は約25光年です。

⑮わし座、いるか座

はくちょう座を中に対峙する星座がわし座である。織姫、彦星伝説の彦星にあたる。わし座の1等星はアルタイルという。現実的に織姫と彦星の間は16光年も離れており、会うのは容易ではない。

⑯カシオペア座

北天に輝く有名な星座である。北斗七星と共に北極星を捜す星座でもある。ご存じの如く英語のWの形をしており、探しやすい。神話では古代エチオピアの王妃カシオペアが娘のアンドレメダを海獣の生贄にせざるを得なくなり、その報いから椅子に縛られてきたの空を回っているという。

⑰アンドレメダ座

カシオペア座の外側に位置するアンドレメダ座は母親カシオペアの虚栄心から海獣の生贄にされた娘アンドレメダを表しています。一等星が無いので探しにくいのですが、カシオペア座の外側に弓なりの4つの星を見つけられれば想像がつきます。この星座で最も重要なのはこの写真では見つけずらいのですが、右腰のそばにあるアンドレメダ大星雲(M31)です。我が銀河系と並び称される大きな銀河で、230万光年かなたにあります。目のいい人はぼんやり見えるでしょう。このアンドレメダ大星雲が、40億年という遠い未来には我が銀河系と衝突すると言われています。しかしお互いの星間は広いので爆発的な衝突には至らないようです。

⑱ペガスス四辺形

秋の夜空で目立つのはペガスス座の四辺形である。周辺にはいろんな星座が見られる。この大四辺形は比較的見つけやすい。この四角形は神話によれば天馬の姿とされて、天馬の胴体 で頭と足の部分が星座線図に表される。足の部分と対角にあたる星はアンドロメダ星座の頭の部分と共有している。ここからアンドロメダ座、アンドロメダ星雲を見つける手がかりになる。

⑲ペガスス、さんかく、うお、おひつじ座

秋の夜空で目立つのはペガスス座やアンドレメダ座である。ギリシャ神話ではいろいろ関連ずけられているが、詳細は省略する。又周辺にはいろんな星座が見られる。三角座も比較的見つけやすい。うお座は目立った一等星が無くちょっと苦労する。おひつじ座は線図からおひつじを推定するのは難しい。しかしこれらをまとめて眺めてみると何となく星座が想像できる。又われら銀河系に匹敵するアンドロメダ大星雲もぼんやり見る事ができる。遠い未来の事であるが、我が銀河系とアンドロメダ大星雲は合体すると言われている。しかし星間は十分にあるので大爆発の心配はないようだ。

⑳冬の大六角形

冬の大三角については①で触れているが、ここではもう一回り大きい範囲の「冬の大六角形」について述べてみたい。これはおおいぬ座、こいぬ座、オリオン座、ふたご座、ぎょしゃ座、おうし座を巻き込んだ冬の空の大スペクタクルで写真では小さく見えるが、全体像を追ってみるとその大きさを知る事ができる。オリオン座周辺の六星座の6個の一等星を結んだもので「冬の大三角」もこの中に含まれる。

㉑しし座

しし座は百獣の王にふさわしく、実に堂々と春の夜空の頭上高く、腹ばいになって輝いている。しし座は北斗七星と背中合わせの位置にある大きな星座です。左足の部分にはあるレグルスは全天にある21個の一等星の中では一番暗い星です。又尾の部分にはデネボラは⑩に掲げた春の大三角の1つの頂点を表します。又頭から胸の部分にかけて?が逆になって見えます。これが西洋の草刈り鎌に似ているところ「「ししの大ガマ」と呼ばれています。

㉒こぐま座

この星座の一番の特徴は尾の先端が北極星である。二等星で少しくらいが昔から北を示す星として重宝がられてきた。北斗七星から見つけ出す方法も有名である。しかし、この星も未来永劫、北を指す星としては使う事が出来ない。それは地軸のブレによって数万年周期で北の位置がずれてしまうからである。我々の生存期間中は特に問題はないが、近い将来星だけを眺めての北の位置情取得取は難しくなってくる。

㉓春の大曲線近辺の星座

  (てんびん座、かんむり座、からす座、りょうけん座、等)

春から夏にかけて北天の空はおおくま座で有名な、ししゃくの「北斗七星」が長い時間見られる。そしてそのししゃくから伸びる「春の大曲」も明るい星があり見つけやすい。その部分を魚眼レンズ捕え、星座線図で表してみた。既に記述している星座もあるが、結構有名な星座がひしめいている。まだ未記述の星座は別途掲載してゆきたい。見ずらい星座もあるが、晴れて都会から脱出できる機会がある時は、是非北天の空を眺めて欲しい。

㉔かんむり座、おうし座

うしかい座のすぐ東側に位置し、七個の星が半円形のかんむりの様に並んでいる。あまり明るくはないが、頭上に輝く姿は王女のかんむりの様である。うしかい座の一等星アルクトゥルスが見つかれば、その左斜め上に冠の形を見つける事ができる。この星座は日本で古くは農村で親しまれており、「長者の釜」などと呼ばれていたそうです。王女の冠を想像しながら眺めてはいかがでしょう。

㉕さそり座

夏の夜空を彩る星座の一つがさそり座である。はくちょう座と並んで夏の代表的な星座である。これは冬の夜空に輝くオリオン座と因縁があり、オリオンは最終的にはサソリに刺されて死んでしまう。そこでオリオンは死後もサソリが怖くて冬の空にしか顔を出さないとか?。この星座の特徴的なのが胴体部分に輝く赤い一等星のアンタレスである。表面温度が低い超巨星で、その直径は何と太陽の230倍もあると言われています。仮にアンタレスを太陽系の中心に置くと、その外周は地球をも飲み込んでしまうと言われています。星の一生からすると終わりに近づいております。この夏星座撮影に適した夜空がなかなか現れず、サソリの尾の部分が山に隠れていましたが、やっと全体を撮る事が出来ました。

㉖アンドロメダ大星雲、カシオペア座

待ち望んだ晴天の日が2ケ月振りぐらいにやってきたので、星空撮影に九十九里の釣ケ崎に行ってきた。この日は地平線に沈みかけるサソリ座を撮影したかったが、月の残照と霧の発生で目的を達成できなかった。しかし幾つかの撮影ポイントを見つける事が出来た。又北天のアンドレメダ大星雲の小さな姿を捕える事が出来た。砂地で三脚が安定せず高倍率での撮影はできなかったが、肉眼ではぼんやりの念願のアンドレメダ大星雲をやっと捕らえた。しかし、ちょっと遠いが日光の戦場ケ原に行ったら何とか形になるアンドロメダ大星雲を撮る事が出来た。

㉗秋から初冬の星座

(ペガスス四角形、カシオペア、天の川、はくちょう、ペルセウス、ぎょしゃ、ふたご、オリオン等)

2022年の夏は天候が安定せず、星空の撮影には最悪だった。ようやく秋晴れが続くようになったと思ったら星空は冬の星座が顔を出すようになった。遠いが思い切って日光戦場ケ原に出かけてみた。条件が整っている場所だけあって、本格的なマニアが集結していた。10月末となれば寒さも厳しく、震えながらの撮影であった。取り敢えず秋の終わりから冬にかけての星座群を撮影することが出来た。

㉘カシオペア座とペルセウス座

カシオペア座周辺ではアンドロメダ座やペルセウス座が目を引く。東京周辺では星が暗くぼんやりした星座の撮影は無理であった。晴天になったのでちょっと遠いが日光の戦場ケ原まで出かけてみた。やはり星の輝きが格段であった。広い駐車場には本格的な望遠鏡を持ち出している人もいた。久しぶりに夜空の星を満喫したが、寒かった。

29,オリオン座周辺(2022,12,19)

日本海側では大雪で大変の様だが、この時期関東地方は晴天に恵まれる。星座撮影には絶好のチャンスである。以前から目星をつけていた九十九里大網のスポットへ行った。松戸から車で1時間程である。寒いのはわかっていたので、最近はあまり着用しない山の厳冬期用装備で出かけた。今まで海岸沿いはモヤの発生が見られたが、冬場はすっきり晴れていた。海に向かっての夜空は光も無く良好。しかし新しい星座の撮影には至らなかった。

(おうし座、ぎょしゃ座、ふたご座、うさぎ座、冬の大三角)

30,ケフェウス座とその周辺【2023,1,12】

(カシオペア座、ペルセウス座、きりん座、)

秋から冬にかけて天の川に浮かぶ星座で、ケフェウスは古代エチオピアの王で、后はカシオペア、娘はアンドロメダで共に有名な星座になっている。しかしケフェウス座は星座が3等星以下で暗く見つけずらい。しかし天の川の挟んで親子が揃って星座になっているのはロマンを感じる。ちょっと専門的になるが帽子の近くにあるデルタ型変光星は星の距離を測るのに欠かせず、宇宙の灯台と呼ばれている。

31,おひつじ座とさんかく座周辺【2023,2,9】

アンドレメダ座周辺にあって良く見ないと見つけずらいが、星座線図と合わせれば納得がゆく。おひつじ座は星占いにも登場する有名な星座で、黄道十二星座の一番に登場する重要な星座です。ギリシャ時代には春分点近くにあったのが、地軸のずれによって今はほかの星座に移っている。さんかく座はおひつじ座の上のあり、長頂点が下を向いています。左の底辺は3つの星で構成されています。

32,とかげ座と周辺の星座【2023,3,9】

耳慣れない星座である。又星座を構成する星々も暗く、肉眼では見つけにくいだろう。ただ、秋の夜空のはくちょう座とカシオペア座中間あたりの天の川を挟んでケフェウス座と対峙しているのがわかる。8個の星がギザギザ模様でとかげが天の川の水を飲んでいるようだ。

33,オリオン座とオリオン大星雲【2023,4,1】

冬の星座もそろそろ終わりである。やはり冬の星座の代表格はオリオン座で、ひときは目立って空に輝いている。中々思うように快晴と、新月が出会うことが出来ず、残念なシーズンであった。最後にオリオン大星雲の姿(黄色の〇印の中)を赤道儀なしの標準~望遠レンズで捕らえることが出来た。

34,冬の大三角と大六角形【2023,4,23】

   (いっかくじゅう座)

以前にも紹介したが、冬の夜空を見上げるのは勇気がいる。しかし都会から離れて人工光の少ない所で夜空を見上げれば、星のロマンに浸る事が出来る。視野は広がるが一等星で構成されている「冬の大六角形」は見つけやすい。これは6つの星座の集合体であり、それを見つけるのも楽しい。その一部が「冬の大三角形」でオリオン座がその一角を占めているので見つけやすく、是非都会を離れた際には見上げて欲しい。三角形の中には「いっかくじゅう座」(前述)が隠れているが見つけにくい。

35、かに座、こいぬ座【2023,5,17】

かに座はふたご座のすぐ横に有ります。星座を構成する星が暗くすぐに見つける事は難しいと思います。しかし、ふたご座の一等星とこいぬ座の一等星を底辺とする三角形の、頂点辺りにぼんやりとした星の固まりが確認できます。これがかに座の頭の当たる部分です。これだけで「かに」を想像できませんが、星座図を見ると納得します。古代人は想像力豊かですね。その四角の中にぼんやりとした星の集団が見えますがこれがフレセベ星団です。望遠鏡で見ると200個位の星の集りの様です。

36,さそり座、いて座、てんびん座【2023,6,1】

最近天候や月齢の条件が合わず、星座の撮影がままならない。やっと「良」らしき兆候になったので堂平山(東秩父)に行ってきた。下界の光が気になったが、前から狙っていたさそり座周辺を何とか撮影できた。夏になったら条件の良い「日光戦場ケ原」等で再度挑戦してみたい。さそり座に関しては㉕で説明してあるので参考にしてください。今回は「いて座」を中心に解説します。いて座の星座線図の一部をオレンジで結んでありますが、北天の北斗七星の「ししゃく形」に似ているので「南斗六星」と言われています。今回の写真ではあまりはっきりしませんが、さそり座、いて座の近辺は天の川の中でも星が最も密集している場所です。そして両星座の中間あたりに超巨大なブラックホールがあると言われ、「いて座A」と命名されています。ここは我が銀河系の中心付近と考えられています。勿論ブラックホールですから目は見る事ができません。天空の「天の川銀河」の様な大きな銀河団の中心にはブラックホールが存在すると考えられていますが、理論上の産物で存在は明らかになっていませんでした。しかし2022年5月ブラックホールの直接観測を目指す国際プロジェクト「イベントホライズンテレスコープ」 により、「いて座A」(M87)に存在する銀河系の中心と思われる、超大質量のブラックホール(太陽の400万倍)の直接観測に成功しました。このチームには日本の水沢天文台も参加しておりました。素晴らしい事でロマンを感じますね。300名山最後が釜石市近くの「五葉山」だったので、車を走らせて奥州市の国立水沢天文台を見学してきた。推察の如く、「いて座A]のブラックホールに関する成果が看板に記されてあった。小生にとってはこの上ない、300名山達成後の「ご褒美」であった。てんびん座は人間の運命や善悪を裁く正義の女神アストロエアが手にしていたものと言われています。

37,へびつかい座(2023,7,1)

さそり座の上にある、大きな星座ですが構成する星が暗く、一目でこの星座を見分けるのは少し大変です。でも暗い場所でじっくり眺めると何となく輪郭が浮かびあがってきます。この星座はヘビの頭の部分はへび座であり、2つの星座の合体です。この写真では良く確認できませんが「右肩の部分」の近くにバーナード星があります。この星は地球から5.9光年の位置にあり、2番目に地球に近い星です。しかも秒速180kという猛烈なスピードで移動しているようです。

38,M8(干潟星雲),M20(三裂星雲)M6,7(さそり座散開星団)(2023,8,1)

以前にも触れましたが、いて座やさそり座の周辺は星や星雲が密集しており、天の川銀河の中心付近と言われている場所です。赤道儀を付けて長時間露光(下のネットの写真)するとその状況がはっきりするのですが、固定カメラでの撮影なので、詳細な姿は捕らえられません。しかし、さそり座の尾の近くには、いて座散開星雲M6、M7がぼんやり確認できます。また拡大写真ではM8(干潟星雲)とM20(三裂星雲)の姿を捕えることが出来ました。この辺は天空の中でも面白い場所なので、夏になったら暗闇の期待できる場所に移動して、もう少し高倍率で撮影し写真を入れ替えようと思います。

39,いて座と天の川(2023,9,1)

36、でいて座については触れているが、今回いて座の全体像が撮影できたので掲載する。今までいろんな場所をさまよったが、房総半島の南部で御宿の北部の荒木根ダムに行ってきた。松戸から110キロ程離れるが人工光が少なく撮影適地である。この辺をわきまえているマニアも数人いた。望遠鏡を使わなくても天の川に横たわるいて座(特に南斗六星)をはっきり確認することが出来る。やはり銀河系の中心付近だけあって星の密集度も高い。横にはさそり座も横たわっており、南天の見どころである。

40,カシオペア座とペルセウス座の二重星団(2013,10,3)

北の夜空を見上げると、北極星を見つける星座として有名なW形をしたカシオペア座は容易に見つけることが出来る。その近くに二つのぼんやりとした星の集りが見える。これがすぐ横に有るペルセウス座の二重星団である。写真にはペルセウス座の一部しか写っていない。この星は暗い夜空では確認できるため紀元前より知られていた様です。二つとも若い星の集まりで地球から7300光年くらいの所にあります。

41,北極星は移り代わる(2023,10,24)

夜空の星は北極星を中心に回っている様に見える。これは地球の自転によるもので動かない様に見える北極星を、昔の船乗りは北の夜空の羅針盤として利用してきた。しかし、人の一生のレベルでは不変の様に見えるこの北極星が、千年レベルで見ると地球の歳差運動(地球の自転軸のブレ)により他の星へと移動し、約25800年の周期で円を描くように移り変わる。約8000年後には「はくちょう座」1等星デネブの近く、約12000年後には「こと座」(織女座)の1等星ベガの近くになり、夏の大三角に近づく。共に一等星の為北の位置も、探しやすくなるだろうが真の位置ではない。また有史以来では約5000年前には、りゅう座のαツバーンが北極星であり、古代エジプトの民はこれを北極星と見ていた。しかし、他の星も動いているので、25800年後の北天の星空は今と違って型崩れした星座が見えるだろう。そこまで人類は生き延びられるであろうか。こう見てくると北を指す地軸は、大きな時間をかけて結構な範囲で移動する。地球の悠久な時の流れは、他の星の動きとも絡み大きなロマンを感じる。

42,りゅう座(2023,11,23)

あまり目立つ星が無いので見つけづらいが、こと座と北斗七星の間にその姿を横たえています。星座としては結構大きい方です。特徴的なのはこと座(織姫)座の近くにいびつな四角形がありますが、これが頭です。それよりもこの星座の有名なのは尾の先より3番目のツバーンです。41でも触れましたが今より5000年前の北極星はこの星だったのです。そして今の北極星も9000年後にははくちょう座のデネブの近くに移ってしまいます。

43,や座、こぎつね座

夏の夜空で「はくちょう座」が有名で誰もが見つけられる。また「夏の大三角」も一等星の集りなので見つけやすい。「や座」「こぎつね」は「夏の大三」角の中にあるが星座自体が小さく、又構成している星も暗いため、真っ暗な夜空で注意深く探さないと見つけにくい。ただ「や座」の方が形が矢に近く見つけやすい。こぎつね座は構成する3つの星から「こぎつね」を想像するのは難しく、先人の想像力豊かな感性が素晴しい

44,木星とその周辺(秋~冬)

金星と共に明るく夜空に輝くのが木星である。太陽系最大の衛星は距離は遠いが現れると明るく輝く。季節により現れる場所が異なるが、星空ガイド等で出現を調べて見てみよう。写真は北天に現れた木星であるが、近くに有名な星座があるので周辺を見て、星座を捜すのも楽しい。勿論普通のカメラでは明るく輝く木星のみでその衛星等は見つけられない。

45,春の夜空(火星、土星の接近・春の大曲線)

春はすっきりした天気が中々やってこない。更に月齢も考慮しての夜空撮影タイミングは月に数日程である。何とかそのタイミングがやって来たので、九十九里の長生村に行ってきた。ここは以前、目星を付けていた場所で人工光が少なく、距離も80kⅿ程。多少モヤっていたが何とか撮影できた。1つは春の大曲線の周辺を、もう1つは今さそり座周辺に火星と土星が接近するのだ。後者はまれな現象なので記録しておきたかった。春の大曲線は中々近辺の星座を含めたいい写真が無かった。星空指数は23時以降が適期であったので、多少寒かったが我慢して撮ってきた。広角14㎜の威力が発揮できた。